産休・育休中の孤独感をどう乗り越えるか

お役立ち情報

ここを見ていただいているという事は、多かれ少なかれ、あなたやあなたの大切な人が孤独感に苦しんでいるという事ではないでしょうか。

私自身、産休中は社会との隔離感や孤独感、罪業妄想(過去の事を思い出して自分は罪深い存在だ・・・と落ち込んでしまう)などを強く感じてしまい、要はとてもさみしくて不安だったので

同じような気持ちを抱える妊婦さんやお母さんになって間もない方に、何かの参考になればと願っています。

ここでは、科学的に産後の心はなぜ不安定になるのか、それに対して本人や周りはどう捉え、何をしてあげればいいのか(自分自身を労わることも含めて)、また実際に私自身が効果を感じたことを紹介させていただきます。

  • 産前産後に母体に起こる変化
  • お母さんの周囲やお母さん自身ができること
  • 私自身が効果を感じたこと

*あくまで個人ブログなので、情報の発信を目的としています。しっかりした知識としては医師などが解説している文献やサイトを読んでいただくことをお勧めします。

産後に母体に起こる変化

”妊娠は病気ではない”とはよく言いますが、病気ではないからこそ、そして体から人一人の命を生み出すからこそ、母体への負担は大きく、人によってその状況は大きく変わります。

交通事故にあった並みのダメージがあり、それは元に戻るまで一説には6か月とも8か月とも言われます。

  1. 子宮が元の大きさに戻る(後陣痛)
    • 後陣痛は大きな痛みは2~3日、子宮が戻るまで6~8週間
  2. 骨盤内の靱帯が徐々に戻る  
    • 出産時に骨盤は最大限に開くため、骨盤内の靱帯はビロビロに伸びてしまったゴムの状態。回復までに6週間、骨盤が安定してくるまで2か月ともいわれます。骨盤隊が不安定なところに妊娠中の筋力低下や授乳やあやすための抱っこなどが重なることで、恥骨痛や腰痛が起こりやすい状態です。
  3. ホルモンバランスの分泌が変化する※図¹参照 → 精神状況に影響
    • 出産直後はプロラクチンが急増、逆に妊娠中に高まっていたエストロゲンとプロゲステロンというホルモンは急に激減します。授乳中は女性ホルモンが低い状態が続きますが、母乳育児をしない場合は産後3〜6ヶ月後、母乳育児の場合は卒乳してから約3ヶ月後に正常なホルモンバランスに戻るといわれています。
    • プロラクチンの働き
      • 母乳の生成を促す。赤ちゃんがおっぱいを吸うとオキシトシン(幸せホルモン)とともに分泌される。
    • エストロゲンの働き 
      • 女性らしい体を作ること、妊娠の準備をする。自律神経のバランスを整え血流を改善し、きめの細かい綺麗な肌をつくる、骨にカルシウムを蓄えるなど
    • プロゲステロンの働き
      • 妊娠を維持する働き。
    • これらのホルモンは自律神経をつかさどる下垂体から分泌されているため、このバランスが崩れると自律神経にも影響をきたす。
  4. 悪露 (胎盤がはがれた後の胎盤やその創痕部の出血、分泌物)
    • これがうまく排出されないと感染症などトラブルが引き起こされる。
  5. 母乳トラブル 
    • 乳腺炎に注意、なるととても痛いし、治すためのマッサージや授乳も痛い。母乳の出が悪いなどの場合は体質の要素が大きいので自分を責めずにミルクをうまく使って。ミルクは夜間の授乳時などでもパパが活躍でき、二人で育児ができるチャンスでもある。
  6. 膣・外陰部の痛み(経腟分娩) 
    • 自然裂傷や会陰切開をした場合、初めの数日は傷自体の痛みがあり、その後は縫合部の引きつりが痛みの原因となる。抜糸はしなくていいが糸が溶けるまで2週間から1か月かかる。 
  7. 腹部の痛み(帝王切開)
    • 術後1~2日は後陣痛と重なり強い痛み、痛み止めを飲みながら乗り切る。
    • 産後2週間くらいで大きな痛みは取れてくる
  8. 色素沈着 → シミなどができやすいため注意
  9. むくみ
    • 妊娠中は赤ちゃんへの栄養や羊水などで、妊娠前と比較すると血液量が1.5倍に。産後、一度に多くの水分が体外へ出てしまうと、バランスが崩れ、必要以上に水分をため込もうとするためむくみやすくなる。産後は授乳などで水分が体から奪われやすいため、むくむからと言って水分摂取は控えない。こまめにとって、我慢せずにトイレに行くことが大切。(膀胱炎の危険もあるため)

図¹↓

お母さんの周囲やお母さん自身ができること

上記の変化についてはざっくりでも見てもらえましたか?

各問題の対処法としては以下のようなものがあります。

骨盤の不安定さに対して

→ヨガをする、腰痛ベルトを使う、下のものを拾うときは膝からかがんで取る(腰をおって取ら ない)

ホルモンバランスの変化に対して

→朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる、散歩をする、栄養をまんべんなく取れる食事

むくみに対して

→寝るときに足を挙げて寝る(クッションなどの上に乗せる)、ストレッチをする  などなど

ここで原点に返ります。そう、一番は孤独感や不安感が問題ですよね。

まず、産後の辛さというのは、上記の身体へのダメージと、体の内外ともに変化が大きいという事。

そして、前提としての母体の健康状態栄養状態精神状態周囲の環境本人の気質生活習慣などがすべて影響しています。その人によってどの要素の影響が強いのかは見定める必要があります

たとえば、

日本は貧血大国で2000年以降の平均鉄摂取量は米国人女性の半分もありません。(米国18.9㎎/日、日本7.6㎎/日)

月経のなしありでも推奨摂取量は変わりますが、厚生労働省の出している基準値はこちら

女性を対象月経あり月経なし
18~29才10.5㎎6.0㎎
30~49才11.0㎎6.5㎎
2009.厚生労働省PDFより

貧血のママの身体に、授乳によって取られる栄養分。産後の身体を回復するための栄養分は十分か否か。そう、必ず不足は出てきますよね。普通に生活していて足りないのにそこからとられていたら、ましてダメージのある体でとなると必ず不足します。

実は、

鉄不足は、自律神経や抑うつにも関係があるとされています。そして乱れているホルモンバランス。

産後マタニティーブルーの要因の一つはこれが大きいのではないかと個人的には考えています。

また、同じ栄養の話でいうと、ビタミンDも日本人は不足しがち。これも抑うつにも関連します。

体がボロボロで乳児もいる中、お日様に当たる機会はなかなかに少なくなるのではないでしょうか。

また、MSDマニュアルによると、

産後マタニティーブルーが現れることは一般的。易怒性(怒りやすくなること)、気分変動、不安、集中力の低下、睡眠障害(過眠、不眠など)も見られることがあるが、通常7~10日で治まる。こういった症状が2週間以上続く場合は産後うつなどの場合があるため主治医に相談するべきである

MSD Manuls

ともいわれています。要は病的でなくとも、抑うつ気分や不安感が強くなることは一般的であるという事。私はこの期間を過ぎてもずっと続く不安や孤独感に悩みました。今振り返ると軽い鬱に入っていたのではないかと思います。

  • 根本的な要因となっている事象に対してまずは正確な知識を得る事
  • そして今の状況をいちど見直してみる事(前述の健康状態栄養状態精神状態周囲の環境本人の気質生活習慣のこと。できればパートナーとも一緒に考えてください)

そのなかで改善できる部分を探す(一人でなく、一緒に)、頼れる機関や相談できる場所を調べる、積極的にサプリメントを用いるのもあり。また、必要であれば主治医や保健士さんに相談、また心療内科で診察してもらうこともありだと思います。

よくわからないけど辛い、ふいに涙が出る、考えるのが億劫、好きだったことが手につかない、ようなときは特に注意です。抱え込まずに相談しましょう。

ちなみに、私の場合は

もともと貧血気質で水分不足な生活習慣の上で、帝王切開でした。産後は里帰りで2か月程度帰っていました。

実家では親が毎日栄養満点のお弁当を作ってくれて大人との会話が多かったので、あまり辛さは感じませんでしたが、孤独感が襲ってきたのは自宅に帰ってから。夫は帰宅が12時を回る日や飲み会の事も多く、毎日イライラ。引っ越したばかりで近所に友人もいない。ほぼ一日大人と会話しない日もよくありました。朝夕は食べるけど、お昼ごはんは面倒くさい、節約と思ってお茶漬けやカップ麺など適当に済ませる日も多かったです。昼夜問わずにお世話するため睡眠時間はバラバラ、自律神経は乱れた生活習慣になったと思います。赤ちゃんと二人きりの生活の中で、つらい気持ちは産休を取っている間ずっと続いていました。

昔の失敗した体験を繰り返し夢に見たり、この子の親であることに罪悪感がわいたり、働いている夫に気を使って、頼れず家事も育児も率先して全て片付けようとして追い詰めて、正直辛かったです。助産師さんにも相談しました。が、話は聞いてもらえますが、現実としてなかなかできることがないと言われてしまいとてもショックでした。わかっちゃいるけど。

主治医に至ってはなかなか忙しい中乳児を連れていけない、患者が多いので親身に話を聞いてもらえない、と、現実問題どうしようもなく途方に暮れ、人とのつながりの喪失、生活の変化が大きく、自分では変えられないものに対して憤りや無力感を感じていました。

上記の項目でいうと、

健康状態 体のダメージ大、睡眠不足

栄養状態 栄養不足(鉄、ビタミンD、亜鉛など)

精神状態 ホルモンバランスの乱れ、感情制御ができない → 精神状態は不良

周囲の環境 孤立、パートナーの協力不十分、相談できる親しい相手がいない

本人の気質 完璧主義、自分を追い詰めやすい。繰り返し過去の失敗を考えてしまう

生活習慣  夜遅くにご飯をたべる、3食決まった時間でない食事、睡眠時間バラバラ、引きこもりがち

などなど。ストレス過多のため、より自律神経は乱れ、鬱を発症していてもおかしくない状態だったと思います。

要するに何が言いたいかというと

第一子を出産したばかりの頃の私はできなかったけど、いま悩んでいる人に伝えたい。

自分が追い詰められているときは案外自分では気が付きにくいものです。

自分ではどうしようもない気持ちの辛さ、子供を可愛いと思う反面、抑えられない感情があるとき、虐待につながらないか不安なとき、億劫にならずに心療内科産院で診察を受けて適切な処方をしてもらうのは一つの選択肢だと思います。一番はパートナーに相談して、協力してもらう事。ですが、協力を得にくい時や解決するのが難しい時、専門の第三者に話してみるという事も一つの手立てです。実は悩んでいる人が多いのではないでしょうか。

そして、栄養という視点を持ってください。それだけで解決することもあったりします。

鉄と亜鉛のサプリを飲んだらイライラする気持ちが落ち着いた経験があります。

やっぱり赤ちゃんにはお母さんが元気で笑顔でいることが一番いいんだと思います。

育児に悩んでいる、そのことが赤ちゃんや子供への愛情を表していると思います。

もう十分あなたは頑張っていると伝えたい。子育てって難しい。

※最後に実際効果を感じたことを書いています。下方へスクロールお願いします。

~参考文献リスト~

厚生労働省 鉄の摂取基準値↓

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4aq.pdf

姫路聖マリア病院HPより産後の身体の変化↓

p063-064.pdf (himemaria.or.jp)

姫路赤十字病院HPより産後の身体の変化↓

henka.pdf (jrc.or.jp)

こちらは読みやすく実践しやすい子供の栄養の本です。

読んだその日から実践できる内容が書いてあり、もっと早くに出会えていればと思いました。↓

私が効果を感じたこと

最後に、実際に実践したり効果を感じたことを紹介していきます。

  1. 産後2か月ごろからは毎日午前中に赤ちゃんと散歩
    • 森林浴は自律神経を整えてくれます。歩くことは心身を整えると言われています。日光浴にもなり、人に会う機会にもなります。(散歩しているといろんな方が寄ってきて子供を可愛がってくれました😊)
  2. ビタミンB6・12・鉄分の入った栄養剤を毎日飲用
    • 私は当時これだけでしたが、今考えると食事療法だけでは補えないともゆわれる鉄・亜鉛などを補充することも大事かなと思います。
  3. 共感してくれる人とたくさんおしゃべりする
    • これはとても大事。孤独感や辛さを抱えるときって何をしてほしいかというと”共感”してくれる存在だと思うんです。話を聞いてうなずいてくれる、そうそう~ってゆってもらえるだけで心は安らぎました。夫がそういった存在なら一番よし。友人としか話せないこともありますよね。私は物理的にすぐに会えたり話せる存在が近くにいなかったので💦たまに友人が来てくれると女神をあがめるように感謝してました笑
  4. 辛い夜は時間が関係なく読める育児漫画をお供に
    • 昼は友人と笑っていてもなぜか一人になると(とくに夜になると)抑うつ状態が発動します。理由もなく涙がちょちょぎれた日も正直ありました😭そんな時は時間を関係なく読める育児漫画・イラストが良かった!
  5. 趣味を作る
    • 新しい趣味をすることは鬱予防・認知症予防の観点でとても大事です。認知症とまではいきませんが、隙間時間がスマホばかりになってしまわないためにも手や目、体など五感を使ったものがおすすめです。私の場合は料理や編み物、絵画でした。まだお昼寝をよくしてくれる頃はいろいろやってみていました笑

といった感じです。実際、現実的につながりを感じる機会は必要。また、目に見えないですが、意外と不足している体の栄養素、足りないものがあると抑うつ感情を悪化させることがあります。

皆さんもよければ栄養素について一度見直してみるのもおすすめです。

つたない文章だったと思います、最後まで読んでくれてありがとうございました!

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